桃田賢斗選手の事故について 

Dental Student

東京五輪で金メダル獲得が期待されるバドミントン男子で世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が13日朝に、マレーシアのクラルンプールの高速道路で交通事故に遭った。

日刊スポーツ

日本バドミントン協会は、事故にあった関係者の病状について、次のように発表した。

日刊スポーツ

桃田賢斗=顎部裂傷、眉間部裂傷、唇裂傷、全身打撲

日刊スポーツ

詳しくみていきたい。

顎顔面外傷の原因と発生状況

まず、顎顔面外傷の原因と発生状況について強い外力が加わる、いわゆる高エネルギー外傷の交通事故や作業事故では,多発骨折や軟組織の損傷を伴いやすく,スポーツ事故や殴打では下顎の単独骨折が多い。

シートベルトの着用が義務化されたことによって,わが国では交通事故による顎顔面外傷は減少している.

部位別頻度

下顎骨骨折(約70%),上顎骨折(約10%),頬骨骨折(頬骨弓を含む,約5%),鼻骨(約1%未満)の順に発生頻度が高い。

顔面骨の特徴外力が骨の強度を上回った場合に骨の損傷が生じる.

顔面骨の耐荷重力は,頰骨(50G),下顎骨(40G),鼻骨(30G),上顎骨(25G)であるが,前頭骨(80~200G)や歯(100G)に比べ耐荷重力は低く,強い外力に対して顎顔面の骨が緩衝装置として脳頭蓋を保護する役割を果たしている。

原因

一過性の外力としては,交通事故,打撲,転倒などがあげられる。

症状

顎顔面は血管の分布密度が高く,顔面動静脈,オトガイ動静脈,舌動静脈,上唇・下唇動脈や表情筋,咀嚼筋の損傷によって多量の出血をみる、気道あるいはその周辺が損傷した場合は,すみやかに止血処置を行わなければ,血餅によって気道閉塞が惹起されることがある.

治療

創部の明示のため止血を試みるとともに,骨折の有無,血管や神経の損傷部位を確認する。

鉗子や結紮で止血し,神経切断端が確認できればすみやかに断端吻合を行う.

神経損傷の後遺症を防止するために,早期から薬物療法と理学療法を行う、創部に迷入した土,砂,アスファルトなどの異物は,瘢痕や異常治癒の原因となるため,徹底的に除去しなければならない、異物は滅菌生理食塩液で十分洗い流し,消毒液は、創部に細胞毒性を与えないために極力避け,感染の可能性が高い場合にはアクリノールや過酸化水素水などで消毒する。

口腔顔面の新鮮創は可能な限り縫合して一次治癒をはかり,神経損傷の回避や整容性を考慮してデブリードマンは最小限にとどめる.

創縁の壊死組織や将来壊死に陥りそうな組織を必要最小限に除去する.

死腔は感染や瘢痕形成の原因となるため,残存しないように筋層縫合や皮下埋没縫合を確実に行う.

組織欠損が著しく,死腔が残る場合にはドレナージを行う.

二次的治癒に至った創面の瘢痕は,適切な時期に形成手術を行う.

また,感染が著明な創や開放創では,炎症が慢性化した時点で三次的治癒を目的に形成手術を行う.

唾液腺管や唾液腺体の損傷に対しては形成手術を行う.

唾液腺管の断面が雅認されたら吻合術を行い,腺体損傷による唖液漏や唾液腺管の断端がわからない場合には、開放創としワクチンを接種する.

医歯薬出版 口腔外科学 引用

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